経済成長率は平均数字です。1人1人の成長率はさまざまです。共通1次試験の成績だとだいたい釣り鐘型の分布になりますが、成長率成績の分布は、低成績のほうに大きく偏ったものになります。遅れがちな人でも成長率が高ければプラスの成長率を期待できるけれども、成長率が低いと、足踏みやマイナス(状況悪化)になってしまいます。日本で成長率が3%だと、状況悪化の人が20%はいると私はにらんでいます。しかし本当は、3%成長なら人間一生のうちに経済規模が8倍、10倍となるのを見られるだけの成長率といえるのです。できるだけ足並みをそろえて向上できるような成長方式があれば、3%が低いなどとバチ当りな考えはしなくてすむはずです。
世界のGNPは21兆ドル、日本はそのうち14%を占めており、アメリカ(25%)に次いで世界第2位です。日本の国民総生産を総人口で割った1人当たりGNPは、2万4,115ドル(90年度)に達しています。経済協力開発機構(OECD)加盟国では6番目ですが、アメリカ(2万1,000ドル)、フランス(1万7,000ドル)、イギリス(1万4,700ドル)を上回っています。このペースでいくと、2010年のGNPは現在の約4倍の91兆ドル、1人当たりGNPは12万2,000ドルになる、と日本経済研究センターは予測しています。所得水準が上がって、家計の蓄えも増えました。個人の貯蓄率は91年末で803兆円、1世帯当たりの平均貯蓄残高も92年には1,259万円になりました。しかし民間サラリーマンの年間給与が平均で425万円に増えたといっても、日本の労働時間はアメリカや欧州諸国を大幅に上回っています。そのせいか、日本人の6割が「疲れている」(総理府世論調査)と訴えています。
水資源はエネルギーや食糧と同じ戦略物資であり、世界経済を動かす重要な要素となってきた。世界の水ビジネスの中心は、水道事業と海水淡水化事業である。日本では公共機関が水道事業を運営しているが、世界の水道事業は、規制緩和によって巨大化した民間企業が握っている。とくに「ウォーター・バロン(水男爵)」と呼ばれるフランスのスエズ社、ヴィヴェンディ社、イギリスのテムズウォーター社の3社は、世界の水ビジネスを掌握して、あらゆる地域に拡大をつづけている。3社のうち、スエズ社は130ヵ国の1億1500万人に飲み水を提供しており、ヴィヴェンディ社は100か国以上の1億1000万人、テムズウォーター社も5000万人に提供している。民営化の波は、すでに世界に浸透しているといえるだろう。3社以外にも水道事業の民営化は着実に増えていて、グローバルウォーター・ジャパン代表の吉村和就氏は、『エコノミスト』(2007年10月2日号)のなかで、民営化はイギリスでは100%、フランスは80%、アジアでも10%に達しており、韓国と中国がとくにすすんでいると指摘している。